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薬師寺

 奈良市にある薬師寺は680年に天武天皇の発願により建てられました。この寺には、白鳳伽藍と玄奘三蔵院伽藍の2つの伽藍がありますが、今回は白鳳伽藍をご紹介します。
*伽藍:お寺の建物、またはその建物が集まった場所

 薬師寺は1300年の歴史を誇りますが、建物は戦争や天災のために何度も失われ、立直しが繰り返されました。今日、私たちが見る白鳳伽藍は、昭和43年(1968年)、当時の管主であった高田好胤和上のお写経勧進により復興が始まり、平成30年(2018)で復興50周年を迎えました。今は、創建当時の伽藍がほぼよみがえったそうです。

薬師寺の伽藍配置

 この伽藍配置では、中門、塔、金堂、講堂がこの順に南から北に向かって配置されていますが、二基の塔は金堂を挟んで左右両側に建っています。この伽藍配置を「薬師寺式伽藍配置」と言うそうです。
 仏教の伝来から約100年経った頃は、仏舎利を安置する塔よりご本尊をお祀りする金堂のほうが重要視されるようになりました。中門から望むと、正面に金堂が見られ、塔は中心から外れてしまいました。

 では、中門からご紹介します。
 中門は仁王門です。門より一段低い建物は回廊です。

  • 南側からみる中門。後ろは西塔。

  • 南側から見る中門。後ろは東塔。

 このように、中門から金堂が見えます。

 中門の北側の東西に西塔と東塔があります。塔は一見六重塔に見えますが、下から1,3,5番目の屋根は裳階(もこし)と言われるもので、本来の屋根の下に雨除けや装飾のためにつけられた庇(ひさし)のようなものです。ですから、これらの塔は三重塔です。
 東西に2基の塔(これを双塔式伽藍と言う)を建立したのは薬師寺が日本で初めてです。塔は仏舎利を安置する建物ですが、2基あっても収める仏舎利は1つです。薬師寺では、西塔に収められているそうです。
 東塔は730年に創建されたものです。争いの舞台となることが多く他の伽藍は幾度となく焼失したり、天災で崩壊したりしましたが、この東塔だけは創建時のものがそのまま残っています。高さは34m、国宝に指定されています。

  • 東塔

  • 西塔

西塔から東塔を望む。

 その北側には金堂があり、ご本尊の薬師三尊像、中央に薬師如来、向かって右に日光菩薩、左に月光菩薩(金銅仏)が安置されています。「日本書紀」によると、697年に開眼法要が行われたそうです。その後お堂は焼失したりしましたが、仏像は現在まで残りました。国宝に指定されています。

 北側から眺めました。金堂を中心に向かって右が西塔、左が東塔です。

  • 金堂と東塔

  • 金堂と西塔

 金堂と東塔を西側から眺めました。

 金堂の北側に大講堂があります。講堂では僧侶が経典の講義や説教をしたり、勉強したりします。この伽藍はとても大きく、横は41mもあります。弥勒三尊像などが安置され、中に入って拝観可能です。

南側から見た金堂と後ろは大講堂。

西側から見た中門、東塔、金堂、大講堂。

 写真では分かりにくいですが、東塔と金堂の間にある中門が一番遠くにあり、次が東塔、金堂、手前の白い壁に赤い柱が大講堂です。金堂の屋根の上に、西塔の相輪(塔の頂部に立つ金属製の細い棒のようなもの)の上部が見えます。

 そして、中門と大講堂を繋ぎ、東塔、金堂、西塔を囲むのが回廊です。

 エンタシス風の柱ですが、それほど膨らみはめだっていないように思います。

 薬師寺でいただいた御朱印です。「薬師如来」

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