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梅の季節ー北野天満宮と大阪天満宮

 大阪天満宮も京都の北野天満宮も、学問の神様として有名な菅原道真公をお祀りする天満宮(あるいは天神(社))と呼ばれる神社で、合格祈願のお社として広く信仰されています。どちらも歴史は古く、境内にある建物も由緒があり興味深いのですが、今回は梅の花を主題に取り上げました。
 天満宮の御祭神である菅原道真公は梅をこよなく愛していて、京都を離れることになった際、自宅にあった梅の木に「東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ」という別れの歌を詠み、その歌を聞いた梅の木は、道真が大宰府に到着した日に京都から大宰府に飛んでいき、そこに根付いたというそうです。これが有名な「飛梅伝説」です。このように道真は梅を非常に愛していたということから、どこの天満宮にも梅が植えられています。

北野天満宮
 京都にある北野天満宮は全国に約12,000社あると言われる天満宮、天神社の総本社です。901年菅原道真は大宰府に左遷され、そこで無念の死を遂げました。その後、京では落雷などの災害が相次ぎ、これを道真の祟りだと恐れた朝廷は、その霊を慰めるために、947年、この地にあった天神信仰の社を、道真を祀る社殿として造営したのが北野天満宮の始まりと伝えられています。
 一の鳥居をくぐり、楼門を抜けると右手に神楽殿や宝物殿が見えます。その周りにも梅の木がいっぱいありました。梅の木の下で牛もこころなしかご機嫌が良いように見えます。

  • いつもの牛

  • 梅の花の下の牛

 さあ、いよいよ梅苑に入ります。敷地は約2万坪、菅原道真ゆかりの梅の木50種類約1500本があるそうです。梅の花は正月明けから開花し始め、3月末頃まで楽しめます。ここの梅苑は毎年2月上旬頃から公開され、白梅、紅梅、一重、八重などの花が咲きます。苑の中は散策路が延びていて、私が行った時は人もそんなに多くなくて、ゆっくりと見て回れました。満開にはちょっと早い、三分咲きくらいかなという感じでした。

 ちょっと見えづらいですが、本殿の前、向かって左にあるのが有名な「飛松」です。道真の自邸の庭にあった紅梅をここに移し、それ以来接木によりその種を絶やさないように守り受け継いできたそうです。

この日は残念ながらつぼみは大きく膨らんでいましたが、まだ咲いてはいませんでした。

 北野天満宮は梅苑だけでなく、境内の他の場所にも梅があります。梅苑の北側にある庭、摂社や末社の前、日当たりによって満開の木があったり、まだつぼみの木があったりで、楽しく散策できました。

大阪天満宮
 大宰府に向かう菅原道真は、途中、この地にあった大将軍社(奈良時代に建てられた)にお参りされ、旅の無事を祈願されました。道真がお亡くなりになった後不思議な事がここで起こり、時の天皇の勅命により、道真の御霊をお祀りするお社が建てられたそうです。これが大阪天満宮の始まりです。それ以来1000年あまり、この神社はずっと人々の崇敬を集めています。
 この神社で特に有名なのは2月に開催される盆梅展です。書院造り百畳敷きの参集殿で開催される盆梅の展示会では、樹齢200年を超える古木を始め、各種銘木が展示されます。参集殿にある絵画、額その他の調度品や障子などの建具と、盆梅とのコラボも見ごたえあります。展示は、廊下に置き外の光で見せる展示と、室内の灯りだけで見せる展示とがあり、それぞれ、趣のあるものでした。

 参集殿での盆梅展、ご堪能ください。

 神社の境内でも、地植えの白梅、紅梅があちこちで咲いていました。

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