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神戸の街(3)ー異人館

スマートフォンをお使いの場合は、水平にしていただくと写真が綺麗に見えます。

 第3回目は、神戸と言えばこれだ!とみんなの頭に浮かぶ、異人館を取り上げます。異人館とは、幕末・明治時代、日本に来た外国人が建てて、家族と暮らした住宅です。開港後、外国人は現在の旧居留地に住んでいましたが、人数が増加したこと、居留地を広げることができなかったことなどの理由から、多くの外国人は、山手の北野に住居を設けました。そして、旧居留地は仕事の場、北野はプライベートの場となっていったそうです。北野には一時は200棟を超える異人館があったそうですが、戦争による被災や1960~70年代の高度成長期に次々に新しいビルやマンションに建て替えられていったことにより多くの異人館が破壊されました。しかし、1970年以降に住民や商業者などが異人館の保存・活用を推進していきました。現在、北野異人館街にある異人館の数は30棟余りで、そのうち公開されている建物は16棟です。また、異人館は、北野異人館街に有名な異人館が集中していますが、他の地域にも点在しています。

 では、以下に異人館のいくつかをご紹介したいと思います。
 三宮から北野異人館街には歩いても行けます(15分)が、坂がけっこうきついので神戸市バス(シティーループバス)を利用するほうがいいと思います。バス停を降りるとあちこちに異人館が建っているのが見えます。

  • シティーループバス

  • バス停で降りると、

(1)神戸北野美術館
 先ず、神戸北野美術館に行きました。この建物は明治31年(1898年)に建設されたもので、1978年までアメリカ領事館舎として使用されていたそうです。中にはモンマルトルにゆかりのある画家の絵画などが展示され、神戸に縁のある画家や作家の企画展、個展なども開催されます。ミュージアムショップやカフェも併設しています。

  • 本館

    館内

  • テラス

    カフェ

(2)ベンの家
 この建物は、明治35年(1902年)旧居留地に商館として建築され、その後現在地に移築されました。後にイギリスの冒険家(狩猟家)ベン・アリソン氏の自邸となりました。建物の中には彼が射止めた動物の剥製(巨大なホッキョクグマやヘラ鹿など)が所狭ましと並んでいます。剥製の中には絶滅危惧種も含まれています。私の感覚からはちょっと解せない部分もあり、あまり気持ちの良いものではありませんでした。この建物にはお土産屋さんが併設されています。

  • 室内の剥製

  • お土産屋さん

(3)洋館長屋(仏蘭西館)
 通りに面して左右対称の2棟が中央で連結された形をしています。外国人向けのアパート(フラット)として、旧居留地に明治41年(1908年)に建設され、後年現在地に移築されたそうです。館内の装飾はフランス色で統一され、エミール・ガレのガラス作品や藤田嗣治の絵画、草創期のヴィトンのトランクなどが展示されています。

  • 外観

    寝室

    ガレのランプシェード

  • 書斎

    子供部屋

    ヴィトンのトランク

(4)英国館
 この建物は、明治42年(1909年)に建てられた、コロニアル様式の洋館です。館内はウィリアム・モリスのファブリックが使われ、17世紀から19世紀にかけての家具調度品が置かれています。また、2階にはシャーロック・ホームズの部屋がありますよ。庭は野趣に富んだイングリッシュガーデンでアリスもいます。パブのカウンターは、19世紀ビクトリア時代の英国貴族の館にあったマホガニー素材を使っているそうです。

  • 外観

    イングリッシュガーデン

    パブのカウンター

  • 庭から見た外観

    居間

    ホームズがいる部屋

(5)風見鳥の館(旧トーマス住宅)
 この建物は、明治37年(1904年)に建てられたドイツ人貿易商、ゴットフリート・トーマスの住宅です。重厚なレンガ造りの外観と屋根上の風見鶏が特徴の重厚なネオ・バロック様式を基調とする建物です。NHK連続テレビ小説「風見鶏」により全国的に名前が知られ、今では北野異人館街のシンボル的存在になりました。

(6)萌黄の館(旧シャープ住宅)
 この建物は、アメリカ合衆国総領事ハンター・シャープの邸宅として明治36年(1903年)に建てられました。軽快な典型的コロニアル様式の建造物で、建物外壁や2階のサンルームは綺麗な萌黄色に塗られています。

 風見鳥の館と萌黄の館の間には小さな公園があり、ベンチにはジャズ演奏者の彫刻があります。異人館巡りに疲れたら、このベンチに座ってちょっと休憩できます。

(7)旧ハッサム住宅
 この建物は、インド系イギリス人のJ.K.ハッサム氏の自邸で、明治35年(1902年)に建てられたものです。元々は北野異人館街にありましたが、昭和38年(1963年)に元町の山手にある相楽園(日本庭園)内に移築されました。前庭にあるガス灯は1874年頃に旧居留地にあったもので、日本最古級のガス灯です。また、煙突は阪神・淡路大震災の時に崩れ落ちたもので、震災の記録として展示しています。

(8)旧ハンター住宅
 この建物は王子動物園内にあります。コロネード(列柱式)のベランダの窓枠のデザインが特徴的です。建てられた年代がはっきりわからないのですが明治22年(1889年)頃と言われています。これも北野異人館街にあったものを昭和38年(1963年)に現在の場所に移築されました。

 神戸の異人館はどれも平成7年(1995年)に起こった阪神淡路大震災により多大な被害を受けました。しかし、どの異人館も多くの人々の努力により復興されています。このように、歴史的建造物を復活させ、未来に残そうとする多くの人の思いと活動はとても貴重なものだと思います。

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