(4)愛染坂(あいぜんざか)
この坂の上に、愛染堂勝鬘院(あいぜんどうしょうまんいん)があることからこの名前がついたそうです。坂の長さは100m、高低差14mです。昔は、このあたりは大阪湾に落ちる夕日を眺める絶好の地で、「夕陽丘(ゆうひがおか)」というこのあたりの地名にもつながっています。
愛染堂は聖徳太子によって建設されたと言われ、境内には大きな多宝塔もあります。縁結びのパワースポットとしても有名です。
大江神社は愛染堂の隣にある神社です。聖徳太子の時代は、こちらの境内から眼下に大阪湾を眺めることができました。
(5)清水坂(きよみずざか)
清水寺の北側にある坂ということで、この名前が付いたそうです。坂の長さは70m、高低差は10mで、道幅は今までの2倍くらいの広さのように思います。
この清水寺が、京都の清水寺と関係があるのかないのかよくわからないそうですが、このお寺にも清水の舞台があります。また、大阪市内で唯一の天然の滝である「玉出の滝」があり、滝に打たれて修行する人もいるそうです。
(6)天神坂(てんじんざか)
天神さん(菅原道真)が祀られている安居神社に通じる坂なので、天神坂と呼ばれます。坂の長さは190m、高低差は14mです。
安居神社は、菅原道真を祀る古い神社ですが、大阪夏の陣で真田幸村が戦死した場所でもあるそうです。
(7)逢坂(おうさか)
最後、一番南にあるのは逢坂。名前の由来は逢坂関に由来するとも、聖徳太子と物部守屋(もののべのもりや)が討論したことに由来するともいわれています。坂の長さは320m、高低差12mmとほとんどありません。今までの坂はどれも都会の中とは思えない、しっとりとした雰囲気でしたが、ここは、交通量の多い国道の一部です。
いかがでしたか、天王寺七坂。坂のある当たりは、特にお寺が集まっている場所で、とても静かです。坂を歩いてもそれほど急だとは感じられず、地下鉄のホームから地上に出るほうがよっぽど息が上がります。しかし、坂を上りきると眼下に街を見下ろすことができ、「えっ、いつの間にこんなに上に来たんだ?」とびっくりします。もし時間があれば、このあたり、散歩されるといいですよ。
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